「毎年、採用できるか不安で仕方ない」
「求人票を出しているのに応募が来ない」
「内定を出しても辞退されてしまう」
——そんな悩みを抱える経営者・採用担当者の方は、決して少なくありません。
新卒採用は、企業の未来をつくる投資です。
しかし、何をどう改善すればいいのか、
糸口が見つからないまま毎年同じ結果を繰り返してしまうケースも散見されます。
この記事では、
新卒採用がうまくいかない理由を整理した上で、
成果につながる考え方と実践のポイントをお伝えします。
実際に採用数を大きく伸ばした企業の事例も交えながら解説しますので、
自社の採用活動を見直すきっかけになれば幸いです。
目次
まず、前提として押さえておきたいのが、新卒採用を取り巻く構造的な変化です。
リクルートワークス研究所によると、
2026年卒の民間企業就職希望者数は46.1万人と前年より微増しており、
大卒求人倍率も1.66倍と前年の1.75倍からやや低下、
数字だけ見れば「少し改善した」とも読めます。
しかし、中小企業に限って見ると状況は異なります。
同調査では、従業員300人未満の企業の求人倍率は8.98倍に達しており、
中小企業にとっては依然として「売り手市場」が続いていると言えます。
加えて、大企業や都市部の有名企業への学生集中という問題もあります。
就職情報サービスサイトでは、
学生が「知っている企業名」で検索するケースが多く、
知名度のない中小企業の情報はそもそも学生の目に触れにくい傾向があります。
さらに近年、就活生の「ナビサイト離れ」も加速しています。
マイナビなど大手就職情報サービスは今も広く利用されていますが、
学生が企業情報を集める手段は大きく多様化しました。
口コミサイト、スカウト型サービス(OfferBox・キミスカなど)、SNS、オープンチャットなど、
学生は自分に合った手段で企業と接点を持つようになっています。
企業側もナビサイトに掲載して待つだけでなく、
学生に直接アプローチする「攻めの採用」へのシフトが求められています。
こうした環境変化の中で、
「これまでと同じやり方」を続けることは、
じわじわと採用力の低下を招きます。
採用活動は一度設計したら終わりではなく、
市場の変化に合わせてアップデートし続けるものと捉えることが重要です。
採用に課題を感じている中小企業に共通する、典型的なつまずきパターンがあります。
自社に当てはまるものがないか、確認してみてください。
ナビサイトへの掲載や合同就職説明会への参加だけで採用活動が終わっていませんか。
学生と直接接触する機会を設けず、応募を待つだけでは、
学生に情報が届きにくい状態になっています。
学生側からのアクションを期待するだけでは、母集団形成そのものが難しくなってきます。
説明会に来てくれる学生はいる。
でも、選考を進めるうちに辞退されてしまう——
そんな悩みの背景には、
「働く自分」を学生がイメージしきれていないケースが少なくありません。
会社の概要を伝えるだけの説明会では、学生の志望度はなかなか上がりません。
「担当者の感覚」だけで進めてきた採用活動は、
何が効いていて何がボトルネックになっているか可視化されていません。
採用の各ステップ(認知→エントリー→説明会→選考→内定→承諾)で
どれだけ学生が離脱しているかを把握しないと、
改善の打ち手を見つけることが難しくなります。
ここで少し視点を変えてみましょう。
「知名度がない」「採用予算が少ない」——これは確かに不利な条件です。
一方で、中小企業だからこそ出来る採用活動もあると思っています。
それは、距離の近さ・現場のリアル・人の温度感です。
中小企業では、
学生のエントリー数が限られるからこそ、
経営者や現場の先輩社員が直接学生と関わることができ、
「この会社で、この人たちと働きたい」という感情的なつながりを生みやすい環境があります。
さらに、採用環境の変化が中小企業にとって追い風になりつつあります。
注目したいのが、2027年卒採用から始まったリクナビの大幅リニューアルです。
これまでの「企業単位」の掲載から
「コース(仕事・職種)単位」の掲載へと変更されたことで、
学生が「やってみたい仕事内容」や「インターンシップの体験内容」で
検索・発見できるようになりました。
これまでは企業の知名度が検索結果に大きく影響していましたが、
新しい仕組みでは仕事の魅力や体験プログラムの中身次第で、
規模に関係なく学生の目に届くチャンスが生まれています。
料金体系も「掲載課金型」から「クリック課金型」へと変わり、
予算の少ない中小企業でも取り組みやすくなりました。
自社ならではの強みを整理し、
それを戦略的に学生に伝える体制をつくることが、採用成功への近道です。
では、具体的にどこから手をつければいいのか。
実際に採用成果を改善した企業に共通する3つのポイントをご紹介します。
採用広報の場で会社の魅力を「伝える」だけでなく、
学生が実際の仕事を「体験する」機会を設けることが有効です。
体験型のオープンカンパニーやインターンシップは、
学生が「働く自分」を具体的にイメージする手助けになります。
この”自分ごと化”が、内定後の辞退率低下にもつながりやすくなります。
また、現場の社員が採用活動に積極的に関わることも重要です。
採用担当者だけでなく、若手社員が学生との接点を持つことで、
等身大のリアルが伝わり、信頼感が醸成されます。
「なんとなく頑張る」採用から脱却するために欠かせないのが、見える化です。
認知・エントリー・説明会参加・選考通過・内定・承諾の各ステップに数値目標を設け、
進捗をモニタリングすることで、どこで学生が離脱しているかが見えてきます。
問題箇所が特定できれば、打ち手はおのずと絞られます。
数字で採用活動を管理することで、
担当者の「なんとなくの不安」は「改善すべき課題」へと変わり、
主体的な行動につながりやすくなります。
学生に響く採用活動の土台は、「自社ならではの強みの言語化」です。
給与・休日・福利厚生といった条件面の訴求だけでは、他社との差別化は難しいので、
「うちの会社でしか得られない経験・環境・価値観」を明確にし、
採用サイト・説明会・面接のすべてで一貫したメッセージを発信することが大切です。
この言語化のプロセスは、
採用担当者だけでなく、経営者や現場の社員を巻き込んで行うことで、
社内の採用への当事者意識も高まるという副次効果もあります。
ここまでお伝えしたポイントを実践し、採用成果を大きく変えた企業の事例を2つご紹介します。
体験型オープンカンパニー×KPI設定で採用数が昨対160%に
課題と背景
同社はナビサイトや合同説明会を活用していたものの、
母集団が十分に集まらず、選考・内定承諾にも不安を抱えていました。
特に25卒採用の進捗は黄信号の状態で、採用担当者の主体性の醸成も急務でした。
取り組んだこと
まず、社員を巻き込んだ採用広報の強化に着手しました。
入社1年目の社員によるリファラル(後輩紹介)の仕掛けをつくり、
合同説明会への社員参加を促進。
学生への真摯な対応を徹底することで、選考離脱率の低下を図りました。
26卒採用からは体験型オープンカンパニーを新設。
実際の仕事を疑似体験できるプログラムを導入し、
学生が「働く自分」を具体的にイメージできる設計にしました。
これにより、説明会から選考への移行率が向上し、志望度の底上げに成功しました。
採用活動には、説明会・内定・承諾の各ステップに数値目標を設定。
つまずき箇所をリアルタイムで特定し、改善を即実行できる体制を構築しました。
さらに、採用担当者自身が「なぜこの施策を実行するのか」を考え、
自走できる状態への育成も並行して行いました。
成果
26卒の採用数は前年比160%に増加。
内定承諾数が当初の計画を超え、募集枠を急遽拡大する事態になりました。
体験型プログラムの導入により選考離脱率も低下し、
採用担当者の主体性が高まったことで、施策を自ら企画・推進できる採用体制が整い始めています。
学校・学生との関係づくりとブランド浸透で新卒採用がV字回復
課題と背景
専門学校からの紹介を主な採用ルートとしていた同社では、
採用責任者が事業運営も兼務していました。
独自の採用サイトを持ちながらも応募は限定的で、年々採用が鈍化。
新規出店計画がある中、このままでは事業計画の遅延リスクをはらんでいる状態でした。
取り組んだこと
まず、これまでの採用活動を数値で可視化・分析し、自社が持つリソースと伸びしろを整理。
採用活動のゴール設定とロードマップを策定した上で、同社にとって価値あるKPIを設計しました。
採用サイトについては、学生へのメッセージ性を強めるコンセプトを再設計。
同時に、保守・メンテナンス費用も見直し、採用総コストの低減にも成功しました。
学校との関係強化においては、
自社の特徴が明確に伝わる採用ピッチを作成し、アプローチする学校を戦略的にリストアップ。
スポーツ大会の主催という自社ならではの強みを活かした学生誘致策も検討・実施しました。
成果
KPIの設定と追いかけにより、採用活動が受け身から「攻め」のスタンスへと変化。
内定数がハイペースに転じ、新卒採用は当初目標通りの人数へとV字回復しました。
限られた人的リソースの投下先が明確になったことで、
担当者の迷いがなくなり、社内コミュニケーションも円滑になりました。
また、自社ならではの取り組みへの自信が高まり、学生へのメッセージ性が一段と強まっています。
2社の事例に共通するのは、「やみくもに頑張る」のではなく、
自社の現状を整理・可視化し、強みを言語化した上で、仕組みとして動かしたという点です。
大きな予算や全国的な知名度がなくても、採用は変えられます。
ただ、そのためにはまず「自社の伸びしろはどこなのか」を明確にすることが第一歩です。
伸びしろが分かれば、打ち手も見えてきます。
新卒採用に取り組む上での全体像
——採用市場の最新動向や、学生に選ばれるための情報発信・採用設計のポイントについては、
スケッチが発行するホワイトペーパー「新卒採用成功のポイント」で詳しく解説しています。
「いつ動くべきか」「どこで見られているか」「何を伝えるべきか」を体系的に整理した内容です。
ぜひ、採用活動の見直しにお役立てください。
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